日本人の遺伝的特性と食事

おはようございます。

朝晩はすっかり冷え込んできましたね。上着を着る機会が出てきました。食欲の秋でもありますので、おいしいものをたくさん食べてしまいます。

食事に影響するホルモンの一つが「インスリン」なのですが、みなさんはこのインスリンをご存知でしょうか?ご飯を食べると食べたご飯を効率よくいきわたらせるために必要なのがこのインスリンというホルモンです。食事由来の糖質は血液中をめぐり全身へ回っています。そしてインスリンがあると各臓器へと糖分を運びます。こうしてわたしたちは体を動かし、臓器を働かせることができています。筋肉内へ輸送するのに必要なのがこのインスリンです。また肝臓や脂肪組織への取り込みにもインスリンを使います。筋肉内へ取り込んだ糖質はわたしたちのエネルギーとして利用されています。そして体を動かすことに使われます。あまったものはグリコーゲンの形で保管しています。また、脂肪細胞に取り込まれた糖質は、脂肪に変換されて保管されています。糖質より脂肪の形に変えた方がよりコンパクトに保管できます。

インスリンがあることで食べたものはしっかりと溜め込んおくことができるのです。日本人の場合はこのインスリンがダラダラと少しずつ出るような体質があります。欧米人はインスリンが一気にたくさん出ることができるので、たくさん保管できてしまうのです。日本人ではありえないほど横に大きい人がいるのはインスリンの出方が違うからといえます。少しずつ出る日本人の場合は糖質を筋肉や肝臓、脂肪組織へ運ぶ効率が悪くなります。たくさん食べた糖質が適切な場所に運ばれないと、血管内に残ってしまいます。残った糖質は血管内にある様々なタンパク質と結合して、体温で温められると毒性の高いAGEと呼ばれる物質ができます。これは毒とみなされて免疫系が活動を始めます。これにより血管内で大戦争が始まるのです。その結果、戦場である血管が傷ついてしまうので、心臓だったり脳だったりといった場所の血管が破裂してしまうリスクがあります。

日本人は玄米を食べていた時代が長かったことからインスリンがすぐに出ない体質があります。食生活を欧米化したところでそこにはすぐに対応できないので、普段の食事は玄米を基本にするのが遺伝的にも適していると考えられます。週1回程度は違うものを食べて食の楽しみを得るのは問題ありません。玄米は「低GI食品」といって血糖値の上昇が緩やかな食品です。日本人は積極的に取っておきたい食品になります。

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